2013年9月5日木曜日

口先だけの女

今から何年前のことだったろうか

あの頃、俺はとこしえのビンボーで、家賃も三ヶ月滞納していた
友人から無理矢理譲ってもらったゲーム機で、夜な夜な『ときめきメモリアル』をプレイするのが唯一の気晴らしだった



ある夜、いつものようにときメモをプレイしていると、玄関で何やらごそごそ物音がする。
不思議に思って戸口に向かうと誰かが走り去る音。
背後のテレビでは、ちょうど伝説の木の下で舘林さんに告られている最中だった

翌日、珍しく家賃を一月分納めにいくと、大家のおばちゃん開口一番

「あんた、悪い女に騙されてるんでしょ!口先だけの女に貢いでもいいこと何もないよ!」

……俺は言い訳する気にもならず、小一時間おばちゃんの説教を聞いていた

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